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事業承継のための自社株対策(4)「純資産価額を引下げる」

2017年11月07日  

事業承継対策として株価を引下げる手段を考えましょう。

純資産価額を引下げるための方法として、最も効果的な方法は、賃貸不動産の取得です。例えば、銀行借入れによって賃貸マンション、賃貸オフィス、商業ビルなどの収益物件を取得します。ただし、いつでも売却できるような優良な収益物件を取得し、再び現金化できるようにします。

賃貸不動産を取得した場合、土地は「貸家建付地」による評価、建物は「貸家」による評価となります。すなわち、貸家建付地の相続税評価額は時価の60%~70%程度(自用地の概ね8割)、貸家の相続税評価額は取得価額の30%~40%%程度(自己所有の7割)ですから、賃貸不動産の評価は、時価を大きく下回る相続税評価額となります。

弊社のアドバイス実績では、2億円の現預金を賃貸不動産の取得に充てて、相続税評価額を1億円まで下げた事例や、5億円の現預金を賃貸不動産の取得に充てて、相続税評価額を2億円まで下げた事例があります。このように優良な収益物件の時価と相続税評価額には相当大きな乖離があります。

そこで、オーナー経営者が自社株を後継者に生前贈与又は売却する際に、賃貸不動産を活用した株価引下げを実行するのです。株価を引下げたタイミングで後継者に贈与等を実行し、その後、賃貸不動産を売却すれば、また現預金が戻ってきます。

ただし、株式評価において、課税時期から3年以内に取得した不動産は「取得価額」等で評価しなければなりません。それゆえ、賃貸不動産を活用した株価引下げ対策を実行する場合には、生前贈与の最低3年前に賃貸不動産を取得する必要があることには注意しておきましょう。