第13回 事例研究問題
10月1日(月)第13回事業承継支援研究会にて用いる予定の問題を事前掲載いたします。
下記の画像をリンクしていただくことでPDFが開きますので、ご利用ください。
第13回事業承継支援研究会 事例研究問題
事例問題
甲社長(65歳)は、40年前に設立したA社(機械部品製造業、従業員数20人、売上高20億円、当期純利益3千万円、純資産3億円)の創業者であり、株式10,000株(発行済議決権株式の100%)を所有し、これまで代表取締役社長として頑張ってきました。
甲社長は、学歴がなく、資金も人脈もないという状況から、モノ作りが好きで365日休まず働き続け、度胸で事業を立ち上げて成功者となりました。甲社長は、これまで「生涯現役で何が悪い、俺は死ぬまで仕事を続けるぞ。」と公言しています。
一方、後継者候補と位置づけられている長男の乙氏(40歳)は、高卒後、定職に就かず夜遊びで荒れた生活を送った後、24歳のときにA社に入社しました。現在は、原材料の購買管理の仕事に従事しています。
ある日、甲社長は妻から「一人息子である長男である乙へ社長交代してはどうか。」「乙はまだ経営者として頼りないけれども、教育して鍛えれば一人前の経営者になるはずだ。」と言われました。
後日、中小企業診断士であるあなたは、甲社長から事業承継について相談を受けました。
甲社長:「先生、妻から社長を交代したらどうかと言われたんです。どう思われますか?」
あなた:「奥様のおっしゃる通りです。そろそろ事業承継を考える時期になりました。そのうち一気に体力と気力が落ちて、社長として働くことができなくなりますよ。」
甲社長:「いや、私はまだ65歳ですよ。まだ早いでしょう。」
【問1】甲社長は、なぜ社長交代しようとしないのでしょうか。それに対して、事業承継支援の専門家であるあなたは、どのようにアドバイスしますか?
甲社長:「社長交代に失敗すると、当社の存続が危ぶまれるということですね、よくわかりました、息子の乙を社長にすることを具体的に考えていきましょう。」
あなた:「そうですよ。乙さんには、社外で後継者研修を受けてもらい、社内では社長の右腕として経営の意思決定の訓練をさせるようにしましょう。」
甲社長:「でも、私は生きがいで、仕事以外にやることがないのです。社長職から退いたら、これからどうやって生きていけばいいのですか?」