事業承継支援研究会

第22回 事例研究問題 (7月1日事業承継支援研究会)

2019年06月24日  

7月1日(月)第22回事業承継支援研究会の事例研究問題を掲載いたします。
下記の画像をクリックしていただくことでPDFが開きますので、事前にご確認ください。

第22回事業承継支援研究会 事例研究問題

事例研究①(後継者のキャリア)

事例

自分は、古くから続く老舗の跡取りです。子どもの頃から、5代目の後継者として、親や親戚から会社を継ぐように期待されてきました。後継者候補として会社に入社して、8年になります。

しかし、どうしても後継者として会社を継ぐ決心がつかないのです。実は、子どもの頃から音楽を聴くのが大好きで、それが高じて親にはだまってバンドに熱中していました。週末だけのバンド活動ですが、アマチュアとしてはかなりいい線をいっていて、プロにもスカウトされたこともあります。そのときはかなり悩みましたが、自分は後継者として会社を継がなければならないという思いがプロへの道を断念させました。
しかしその後も、もしかしたらプロになって好きなことを続けていた方がよかったのかもしれない、という思いが捨てきれません。その思いが強すぎて、会社の仕事にも身が入りません。

このように悩んでいる自分は、後継者として失格でしょうか。

問題

相談者である後継者に対して、どのような支援をしたらいいでしょうか。

ヒント

後継者のキャリアの問題です。
相談者のキャリアを考えるときに、専門家が必要なスキルは何か、どういう姿勢で臨むべきか、という観点で考えてみてください。

事例研究②後継者経営の特性

事例

子供の頃から会社経営をしている父の背中を見ていましたし、両親からも「お前は長男だから、うちの会社の跡取りとしての人生を考えてくれ」と言われてきました。
自分自身もなんとなく会社を継ぐんだなと思っていましたから、高校時代は文系クラス、大学も経営学を専攻し、大学在学中にはシリコンバレーへも行ってきました。大学卒業後は直ぐに父の会社に入らずに、友人が起業したベンチャー企業で友人の右腕として10年程経過しました。
自分で言うのも恥ずかしいですが、それなりに大きい企業に成長し部下からの信頼も厚く、ベンチャー支援のセミナーで経営について話したこともあり、経営のいろはは充分に学んだと思っております。

そろそろ父の会社に戻り、今迄の経営の経験を活かしたいと考えておりますが、ベンチャーでの経験と何か違う事はありますでしょうか。

問題

相談者である後継者にどのように支援したらよろしいでしょうか。

ヒント

創業経営者ではなく、後継者特有の環境について考えて頂き、そのうえで、如何に後継経営者になるべく鍛えるのか、考察ください。