事業承継支援コンサルティング研究会(第42回)2021年4月12日(金) 事例問題
事例問題(従業員承継と第三者承継)
甲社長(70歳)は、40年前に設立したA社(印刷業、従業員数30人、売上高5億円、当期純利益1千万円、純資産1億円、借入金5千万円)の創業者で、これまで代表取締役社長として頑張ってきました。
株主構成は以下の通りです。
株主名 | 持株数 | 持株比率 |
甲(代表取締役、70歳) | 2,500株 | 25% |
甲の妻(社外、65歳) | 500株 | 5% |
乙(常務取締役営業部長、40歳) | 500株 | 5% |
丙(専務取締役、65歳) | 3,000株 | 30% |
丁(監査役、65歳) | 2,000株 | 20% |
従業員持株会 | 1,500株 | 15% |
合計 | 10,000株 |
顧問税理士による株式の相続税評価@10,000円×10,000株=1億円
甲氏には子供がいませんので、有望な若手である乙氏(常務取締役営業部長、40歳、親族外の従業員)が後継者として最適ではないかと考えました。しかし、乙氏は、生え抜きサラリーマンであり、顧問税理士が評価した1億円という評価の株式100%を買い取る資金がありません。
甲氏は「私と妻の持株を合わせると30%になる。これであれば3,000万円で乙氏が買い取ることができるだろう。」と考えています。また、会社の借入金5,000万円に係る経営者保証も乙氏に承継してもらうつもりです。
ある日、業界最大手のX社(上場)から「グループ傘下に入らないか。」との提案がありました。専務取締役の丙氏によれば、「X社が導入した最新の印刷機械を使えば、当社の生産性は大幅にアップだろう。」とのことです。
しかし、監査役の丁氏は、「X社の傘下に入れば、当社の工場は操業停止となり、工場の従業員が解雇されてしまうおそれがある。」と反対しています。
ある日、メインバンクである地方銀行が、事業承継の専門家であるあなたを連れて面談を行いました。
あなたは甲社長との打ち合わせにおいて、今後の事業承継に関する提案を行います。
【問1】事業承継の3つの側面(事業承継フレームワーク)
次期社長を乙氏(常務取締役営業部長)とする場合、事業承継に伴って検討すべき課題を列挙してください。
【問2】M&Aの売り手側の戦術
第三者へA社を売却することを決めた場合、最適な取引条件を実現するためにどのような戦術を使うべきか、提案してください。
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※ 2021年1月に使用できなかった教材を4月に使用いたします。
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